サーボインタフェイス
・シリアル変換ボード
NATOCは双葉電子工業のRS30xシリーズのサーボをPCとNゲージのインターフェイスとしてサポートしています。
このサーボーはコマンド制御が可能でコンピュータから直接制御する事ができます。(レベル変換にボードが必要)
このシリーズのRS304MDは市販されて中で一番安いモデルですがデアゴスティーニの週刊ロボゼロに付属しているサーボ(RS306MD)を使えばより安く接続する事ができます。
従来のI/Oコントローラによる制御と組み合わせる事が可能です。
I/Oコントローラだけでは列車の速度制御は行う事はできませんが、速度制御用のサーボを一個追加すれば列車の速度を制御する事ができます。
このサーボは5V(TTLレベル)で動作するので直接PCのCOMポート(12V)に接続する事はできません。
そこで5V出力のUSBインターフェイスシリアル制御ボードを使用します。
弊社ではFT232RL(SWITCH SCIENCE)を動作検証しています。
FT232RL(変換ボード)とRS306MD(サーボ)は3本のジャンパー線で接続します。
FT232RLの出力は6PのコネクタですがこのうちのGND,5V,TXD(GNDと5Vの間はひとつ空きます)を使います。
FT232RLとPCはデジカメ接続などで使う標準のUSBケーブル(ミニB5Pin)で接続できます
RS306MDの入力は3Pのコネクタですが黒いリード線をGNDと真ん中の赤いリード線を5Vに端の赤いリード線をTXD(写真では黄色のジャンパー線)と接続します。
今回3つのサーボに接続するのでサーボ側のジャンパー線を3本共3本に分岐させます。
なお転車台制御用のサーボを追加するだけなら分岐させる必要はありません。
各サーボに取り付ける部品としてサーボホーンと取り付けネジが必要です。
サーボホーンがBS3354、取り付けネジがBS0532という型番で双葉手電子から購入できます。
・速度制御用サーボ
鉄道模型少年時代24号に付属してきたコントローラーの改造を例にとって速度制御を行う方法を説明します。
レバーを外してそこにボリュームのツマミを取り付けます。
改造例ではサトーパーツのK80756R1という製品を使用しています。
他にもいろいろな種類のものがありますが次の様なポイントで選んでください。
・シャフト孔径が6.1mmφ
・サーボ軸にネジ止めしやすい構造
・加工がしやすい材質(フェノールまたはビニル)
・シャフト固定がネジ止め
・外形寸法があまり大きくない
まずサーボモータとコントローラを固定するためのフレーム板を取り付けます。
写真では1mm厚のエンビ板を使用しました。材質は何でも構いませんが加工しやすい物が良いでしょう。
ちなみこのエンビ板は折り曲げると割れるため熱して直角に曲げました。
上の図のようにフレーム板を加工します。
2mmの穴を右から8mm位の所に開けるのですがコントローラに取り付ける時に現物合わせで開けても構いません。
フレーム板は左から15mmの所で直角に折り曲げます。
折り曲げた短い方をサーボに当ててビス穴を開けます。
サーボの2本のネジは外しておきます。
この時サーボ軸がフレーム板の中央になるようにします。
またフレーム板に当たらないギリギリの位置にします。
両面テープで固定しておくとズレなくてやり易いと思います。
サーボの裏からピンバイスでフレーム板にビス穴をの位置に印を付けます。
ドリルの径があまり太いとサーボのネジ山をつぶす可能性があるのでなるべく細い(1mm以下)ドリルを使ってください。
2つのビス穴の位置に印を付けたところでフレーム板からサーボを外し2mmのドリルでビス穴を開けます。
サーボに付属していた2本のビスでサーボをフレーム板に取り付けます。
フレーム板とサーボのビス穴が合わない場合はフレーム板のビス穴を広げたり開け直してください。
サーボとツマミはネジ留めにしますがそのままでは空回りするので間に抵抗の大きいものを挟みます。
今回ゴム板をワッシャー状にしたものを作りましたが両面テープを挟み込んでも構わないと思います。
ツマミに2mmの穴を開けます。
この時重要なのはなるべく中心開ける事です。
中心からズレてしまうとサーボの回転に支障をきたします。
コンパス等で正確に中心位置を割り出してください。
同じ大きさの歯車等があればそれを当てて穴を開けても構いません。
滑り止めを挟み込んでサボ軸にツマミをネジ止めします。
この時サーボはニュートラルの位置(サーボ軸の目印が上)にしておいてください。
またツマミの固定ネジはレンチが使いやすいように目印と反対側の位置に来るようにしてください。
六角レンチでツマミをコントローラのボリューム軸に固定します。
この時ボリュームの位置は丁度真ん中の角度にしておきます。
フレーム板を2mm位の木ネジでネジ留めします。フレーム板にはこの時に現物合わせで穴を開けても構いません。
コントローラ側には1.5mm程度の下穴を開けておけば作業がしやすくなります。
なおコントローラのビス穴は茶色のケースの上端と電池蓋の上端の中間位置にします。
もう少し簡単な改造方法を昭和の鉄道模型のコントローラーで紹介します。
市販のプラッチック消しゴム(厚さ14mm)をカッター等で20mm×20mmの大きさにカットします。
両面に両面テープ(強力)を貼っておきます。
コントローラーのハンドルを外しておきます。
ボリュームの位置は停止と最速の中間(鉄道模型の場合は切込みが右を向く)に回しておきます。
前述の方法でツマミを取り付けたサーボをボリュームの軸に差し込みます。
六角レンチでツマミを軸に固定してます。
この時サーボはニュートラルの位置にしておきます。
鉄道模型少年時代のコントローラーなどのサーボの位置が高い場合は厚さが20mmの消しゴムを使用するか消しゴムの方向を変えて設置します。
・列車制御用サーボ
サーボでスイッチを押して電源を制御します。
前進、後進、停止の制御を行うのには単にON/OFFだけでなく電流の向きも変更しなければいけないので3Pのマイクロスイッチが2個必要です。
マイクロスイッチにはいろいろいのな形状がありますがSS-5GL13-F(オムロン)等はヒンジが突起状に折れ曲がっているので適しています。
またスイッチを押すのに必要なトルクによって値段も異なりますが今回は強力なサーボの力で押すのでトルクを必要とするものでも構いません。
まずサーボモータにスイッチを取り付けるためのベース板を取り付けます。
写真では1mm厚のエンビ板を使用しています。材質は何でも構いませんがあまり厚いとサーボ軸の長さが足らなくなってしまいます。
上の図のようにベース板を加工します。
サーボ軸の穴は最初はサーボホーンの軸と同じ位の大きさ(8mm径)にしておいてビス穴の位置を決めてから10mmに広げた方がやりやすいかも知れません。
なおビス穴の位置は現物合わせでした方が確実だと思いますのでこの時点では開けません。
ペース板にサーボ軸を通してサーボホーンを取り付けます。
サーボの四隅のネジは外しておきます。
この時サーボがバラバラにならないように注意してください。
サーボの裏からピンバイスでベース板にビス穴をの位置に印を付けます。
ドリルの径があまり太いとサーボのネジ山をつぶす可能性があるのでなるべく細い(1mm以下)ドリルを使ってください。
4つのビス穴の位置に印を付けたところでペース板からサーボを外し2mmのドリルでビス穴を開けます。
サーボに付属していた4本のビスでサーボをベース板に取り付けます。
ベース板とサーボのビス穴が合わない場合はベース板のビス穴を広げたり開け直してください。
なおこの時サーボホーンはネジ止めせずに軽く差し込む程度にしてください。
次にサーボホーンを加工します。
赤線の部分をカッターなどでカットします。
硬いようであればニッパー等でカットしてください。
スムースに動くようカッターで角をなるぺく丸く整形してください。
正式にサーボホーンをサーボ軸に取り付けます。
この時サーボホーンとサーボ軸はニュートラル位置の印を合わせてください。
あまり奥に差し込むとサーボホーンとマイクロスイッチのヒンジの接触部分が小さくなるのでサーボーンは軽く差し込む程度にしてください。
同様に取り付けネジも締め付けないようにしてください。
次にマイクロスイッチの位置決めをします。
マイクロスイッチの位置は後で調整できるように両面テープ(強力)で貼り付けます。(必要に応じて位置が決まったらビスで固定してください)
マイクロスイッチは上の写真のようにサーボホーンの両脇に配置します。
サーボホーンを右90度および左90度回転させてそれぞれの位置でスイッチが押されるようにスイッチの距離を調整してください。
サーボホーンとスイッチの位置の関係は後の写真を参考にしてください。
次に配線をします。
配線はトミックスの延長コード(D.C.フィーダN用) 5813(品番)で行います。
延長コードは半分に切断します。
またスイッチ間の配線用として70mm程度のリード線が必要です(延長コードを切断)。
まずレイアウト側(メス)を両方のスイッチの一番下の端子(COM)に接続します。(写真下方向の赤線と白線)
次に電源側(オス)を右のスイッチの一番上の端子(NC)と真ん中の端子(NO)に接続します。(写真右方向の赤線と白線)
ここで注意するのは真ん中の端子とレイアウト側の端子を同じ極性にしてください。
右側のスイッチは押された時に正転になるようにしています。
左側のスイッチと右側のスイッチを配線します。
配線するのは一番上の端子(NC)と真ん中の端子(NO)どおしです。
左から停止(ニュートラル)、正転(90度)、逆転(-90度)の位置です。
正転と逆転の位置でそれぞれのスイッチが押されるようにします。
・転車台電源制御の改造
列車制御用サーボで本線電源の制御とSL鉄道模型の転車台電源の制御ができるように改造します。
今までの切替装置に対して上側に転車台用電源のマイクロスイッチを2個取り付けます。
またサーボホーンを180度回転させて取り付けます。
サーボが原点の場合写真のようにスイッチを押す部分が真下にくるようにします。
なお電気的には追加するマイクロスイッチはひとつでいいのですがサーボホーンがどちらに向いてもスイッチが押せるように2個取り付けます。
改造したサーボの配線図です。
青と赤は列車制御用サーボの配線そのままで橙と緑は転車台用に新たに配線した回路です。
サーボが90度回転すると今までのように本線用のマイクロスイッチの片方だけが押されます。
サーボが120度回転すると本線用のマイクロスイッチと転車台用のマイクロスイッチの両方が押されます。
すなわち90度と120度を切り替えると転車台のスイッチがON/OFFされる訳です。
同じように反対側の本線用のマイクロスイッチに対しても上の転車台用のマイクロスイッチを押すようにします。
サーボを原点に戻すとどのマイクロスイッチも押されないので列車は停止します。
なおこの構造だと本線はOFFで転車台はONという状態ができませんが、本物のコントローラーも同じで本線を停止にすると転車台にも電源は供給されません。
・ポイント制御用サーボ
SL鉄道模型の手動ポイントの改造を例にとってポイント制御を行う方法を説明します。
ポイントのレバーにピアノ線を差し込みます。
今回使用するドリルはピアノ線と同じ太さのものを使います。
レバーの下側から5mmくらいの深さの穴をなるべく真っ直ぐに開けます。
ピアノ線の先端をヤスリで削って針状にしたものを差し込みます。
引っ張っても簡単に抜けない事を確認します。
ピアノ線はレイアウトに設置してから長さを調整しますので長めに(50mm位)カットしておきます。
裏蓋のレバーの部分を切断します。
レバー部の膨らみの部分を先端から5mmの位置でカットします。
分解したポイントを組み立てます。
レイアウトに組込む前に電流制御用の金属片が正しく機能するか実際にポイントを切り替えて確認しておきます。
次にレイアウトボードにピアノ線を通すスリットを開けます。
まずレイアウト側にスリットの両端に2mmのドリルで穴を開けておきます。
上にポイントを置いたとき開けた穴が見えないようにレイアウト図からはみださないようします。
次に先ほど開けた穴から斜めに穴を開けます。
これはピアノ線が下にいくほど移動幅が長くなるためでこの穴に従ってカッターを使ってスリットを開けていきます。
ポイントをレイアウトに置いて実際にピアノ線を動かしてスリットをスムーズに動く事を確認しながらスリットを広げていきます。
次にプラ板でクランクを作成します。
幅20mm長さ50mmで中心にビス穴を開けておきます。
ビス穴から20mm〜15mmの位置にポイントに取り付けたピアノ線を通す穴をスリット状に開けます。
クランクの回転軸とピアノ線までの距離が両端と中間で違うのでクランクを動きやすくするためです。
ビス穴から10mmの位置にサーボを通す穴(0.6mm)を開けます。
次にクランクの取り付け位置を決めます。
ロッドの引っ掛け部がボードに当たらないようにクランクとベース板の間には厚めのワッシャーを入れて少し浮かして取り付けます。
実際にクランクを回転させて一番スムースに動く位置にします。
また確実にポイントが切り替わる事も確認します。
切り替わった事はカチっとスナップ音が鳴る事によって確認できます。
ロッドをピアノ線で作成します。
途中で折れ曲がっているのはサーボホーン取り付け位置をサーボ軸の高さにするためと切替時にバネの役目を兼ねています。
ロッドのサイズは20mm+10mm(中央の折れ曲がり)+20mmで両端にクランクとサーボホーンの穴に引っ掛けるようカギ状の加工をします。
なおクランクの面とサーボホーンの面は90度の位相があるので両端の取り付け加工も90度の位相があります。
サーボホーンに取り付ける加工の向きはサーボの向きによって変わります。
ロッドとサーボホーンにそのまま取り付けるとロッドとサーボホーン中央の出っ張りと干渉します
プラ部品のライナーを3mm程度にカットしたものをサーボホーンとの間に通しておきます。
次にサーボの位置を決めます。
実際にサーボを動かしてポイントが切り替わるのを確認しながら位置を決めていきます。
サーボを固定するためにアルミ板(0.5mm厚)を10mm幅にカットしたもので固定バンドを作っておきます。
バンドはサーボの大きさに合わせて幅25mm高さ18mmに加工しておきます。
バンドでサーボを固定したら設置完了です。
・転車台制御用サーボ
SL鉄道模型の転車台制御を行う方法を説明します。
青い線がサーボの位置、緑の円がサーボの稼働範囲を示します。
このサーボの稼働範囲は-150°〜150°で暗い部分が稼働できない範囲でこの部分に線路がこないように設置する必要があります。
なお180°反転できるようにするので線路と反対側の車止めの部分にも稼働させる必要があります。
写真で暗く示したように15°×5ブロック=75°の空きブロックを非稼働範囲になるようにします。
従ってサーボが原点に来た時、写真のよう主桁が上側の真ん中の空きブロックの位置になるように調整します。
サーボモーターの設置はレイアウトに対して水平にするかまたは垂直にするか二通りの方法が考えられます。
垂直にする場合はスペースの関係でサーボ軸を上にする必要があります。
またレイアウトに対して斜めに設置しても構いませんがスペースを有効活用する上で水平か垂直の方がいいと思います。
後で説明しますが垂直にした方がサーボの固定は簡単です。
水平だとパネルの壁まで7mmしかスペースがありませんので縦方向にサーボの固定バンドを設置できません。
反面水平の場合、このスペースに板(7mm厚)を置くとパネルの壁に固定する事ができます。
転車台を正確な位置に止めるためにはサーボ自体の回転を極力押さえる必要があります。
その点水平設置の場合、壁に固定するためより回転を押さえられると思います。
またバンドを縦に固定する場合長いネジを使うとレイアウトの表面に突き出てしまいます。
こういった点を考慮すると私がやったように水平に置く方法をお勧めします。
また水平の場合レイアウトパネルをつなげるネジと干渉してしまいます。
これを極力小さくするためにサーボ軸は左側(外に近い方)にしました。
それでは実際の電動化の手順を説明していきます。
まず49号で配布された主桁の中心にサーボ軸に固定するための2mmのビス穴を開けます。
この作業は重要で中心に開けないとサーボがスムーズにを回転できなくなってしまいます。
私がやった方法を紹介します。
主桁の中心の突起の内側の内径がちょうど5mmなので5mmのドリルを中心に当て傷を付けます。
この時突起の壁が削られないようにドリルは刃と逆の方向に回転させてください。
次にこの傷を目印にピンバイスで2mmの穴を空ける訳ですが、いきなり2mmのドリルを使わずになるべく細いドリルで下穴を開けます。
開けたらドリルを軸として主桁を回転させて正確に中心になっているかを確かめてください。
ピンバイスを写真のように押し当てると確認できます。(小型のピンバイスがちょうど主桁の軸にフィットします)
こうやってドリルの太さを徐々に太くして行き最後に2mmのドリルでビス穴を開けます。
他にもっといい方法があるも知れませんが正確に開けるよう工夫してみてください。
また多少ずれてしまってもこの穴を少し大きくすればサーボ軸の中心で固定する事ができます。
ビス穴とは別になるべく細いドリルで上の図の赤い部分に2ヶ所穴を開けておきます。
後で説明する主桁とサーボを固定するためのピアノ線を通すための目印にするための穴です。
主桁の中心部の突起内側の壁際の位置に左右(主桁を横に置いた場合)2ヶ所です。
なお今回主桁のみの状態で行っていますがこの作業は主桁を転車台本体に取り付けた後で行っても構いません。
次にサーボの設置位置をレイアウトに書いておきます。
サーボを転車台に取り付けた後だとこの作業がやりにくくなるためこの段階でやっておきます。
転車台をレイアウトに設置して先ほど開けたビス穴を使ってレイアウトに2mmの穴を開けます。
この穴をサーボ軸が通る大きさ(約6mm)まで広げます。
実際にサーボをこの穴に差し込んでサーボを型にシャープペンシル等で位置を描きます。
次にレイアウトにサーボ穴を開けます。
先程シャープペンシルで描いた線に沿ってカッターでボードに穴を開けていきます。
まず表面のスチレンボードの部分だけ切り抜きます。
くりぬいた部分にサーボを入れてみて位置が正しいか確認します。
なるべく隙間がないように開けるため最初は小さめに開けておいてサーボを差し込みながら穴をカッターで広げていきます。
穴が大きくなっらヤリスを使って穴を広げていきます。
サーボが差し込めるようになったら穴あけは完了です。
次にサーボの転車台への取り付け方法を説明します。
実際に3つの方法で試しましたどれも一長一短があるのでどれがいいとも言えませんので一番いいと思った方法でやってみてください。
取り付け方法1
上の図の茶色の部分が主桁、緑が転車台本体を示します。
その他のパーツが取り付けに必要となるものです。
サーボとの接続はサーボホーン(図の黒い部分)を使います。
サーボホーンはこのサーボ専用のものが市販されていますからそれを購入してください。
灰色で示したパーツは2mmのビスとそのワッシャーです。
サーボ専用のネジも市販されていますがそれだと長さが足りないので10mmのものを使いました。
黄色で示したので主桁とサーボを固定するためのピアノ線(鋼鉄針金)で先ほど主桁に開けた2ヶ所の穴の位置に通します。
青い部分が主桁とサーボのジョイント用のパーツで自作する必要があります。
今回は模型用の5mmの透明プラパイプを使いましたが5mmのプラ棒を使った方がいいと思います。
主桁に差し込んだ時の転車台の裏面までの長さが2mmですが2mm丁度で作成するとサーボホーンが裏面とぴったりになって動きにくくなるので少し遊びを作ってやります。
2mm厚の板にボール紙を重ねてボール紙の分を遊びにします。
重ねたものに5mmの穴を開けてそれにプラ材を差し込んで2mm+αの位置をカッターで切断します。
厚板に差し込んだまま切断面をヤリスで削ります。
なるべく板と平らになるように削ってください。
サーボホーンとの接触面はなるべく平らな面を使いたいのでプラ棒の端の面(最初からカットされている面)を合わせてください。
通常のプラ棒を使った場合は中心に2mmのビス穴を開けておいてください。
ジョイントパーツが出来上がったらパーツを組み立てていきます。
まずサーボ軸にサーボホーンを取り付けます。
ここで気をつけなければいけないのはサーボホーンのビス穴に切られている部分(写真緑)が固定用のピアノ線の位置に来ないようにする事です。
サーボをレイアウトに対して水平に設置する場合はサーボ軸の原点の印(写真緑)に対して90°の位置になるように取り付けます。
垂直に設置する場合はサーボ軸の原点に合わせて取り付けます。
主桁の中心に先程作成したジョイントパーツの切断した面をを差し込みます。
反対の面にサーボホーンを合わせてビスでサーボ軸に仮止めします。
この時点ではまだ固定用のピアノ線は差し込みません。
またこの時はワッシャーも入れません。
レイアウトに設置してから位置を調整しますので主桁を手で動かせる程度にビスを締めておいてください。
取り付け方法2
サーボを主桁に取り付けるのにサーボホーンを使わず直接主桁に取り付ける方法を紹介します。
主桁をビスでサーボ軸に留めればいいのですがただ留めただけでは回転によりずれが生じて正確な位置で主桁を止める事ができなくます。
このずれをなくすため主桁に溝を作ってサーボ軸の切込みをその溝に入れてずれなすようにします。
今回使用するサーボ以外の部品はサーボホーン固定ねじのみです。
前回のように一般に売られている2mmのビスを使えますが何度も締めたり緩めたりしていると頭がつぶれてきます。
専用ねじは頭が大きいので大きなドライバーが使えますしワッシャーなしでもしっかりと固定できます。
まず主桁にビス穴を開けます。
1と同じ方法で主桁にサーボのビス穴を開けます。
なお今回はサーボ軸と主桁のずれを防ぐピンの穴は開けません。
次に主桁の本体への差し込み口に溝を作ります。
厚さ2mm位のヤスリを縦にして差し込み口に溝を彫ります。
方向は主桁を横に置いて縦方向です。
この時主桁の金属部品を傷付けないように注意してください。
ちょっと削り過ぎて周りの突起まで削ってしまいましたが丁度この突起の高さくらいまで削ります。
なおカッターを使って同様の溝を彫っても構いません。(精度を高めるならそちらの方がいいかも知れません)
次にサーボ軸にこの溝に合わせる突起を彫るのですがここで注意しなければいけないのはサーボの原点と合わせて置かないとサーボの非稼働範囲にレイアウトの線路が来てしまいそこに動かす事ができなくなってしまいます。
サーボの非稼働範囲については前述を参照してください。
まずサーボを転車台本体裏に両面テープで仮留めしておきます。
この時サーボの方向は実際にレイアウトに設置する方向にしておきます。
私の場合サーボをレイアウトに対して水平に置くのでサーボのお尻が一番下の待機線(レイアウトに水平)の方向を向くようにします。
目印になるテープを溝の幅に切って粘着面を上にして溝に置いておきます。
この時サーボは原点にセットしておいてください。(サーボ軸の目印が真上を向く)
この上に転車台本体にセットしたサーボ軸を置きます。
この時主桁は転車台の原点位置になるようにしてください。
位置が決まったら目印のテープをビス等で押さえつけてサーボ軸に貼り付けてください。
テープが取れないようにサーボを転車台から外してください。
テープが貼られていない部分を削れば主桁の溝と合う突起を切込みが作れるはずです。
まずカッターでテープに沿って縦に切込みを入れます。
今回サーボ軸を彫るのは1〜2mm程度です。
サーボ軸は結構、硬い素材なのでカッターに注意して作業してください。
この切込みに対して横に削っていきます。
粗方削れたらヤスリで横方向を平らにします。
この面がまっすぐ左右均等かどうかでサーボがスムーズに回転できるかどうか決まります。
サーボ軸を主桁の溝に合わせて取り付けてビスで仮留めします。
この時点ではあまりしっかり締めずに主桁が空転しない程度にしておきます。
なおこの時サーボの両面テープははがしておいてください。
サーボを回転させて主桁がサーボ軸に対して真っ直ぐ付いているかチェックします。
この時サーボテスターがあればそれで回転させますが無ければ手で回しても構いません。
サーボはトルクがかかっていないと少し力を入れば手で回す事ができます。
この時主桁が空転したらチェックの意味がないので一緒に回転している事を確認してください。
真っ直ぐ取り付けられていればサーボは転車台の基板に密着しているはずです。
隙間が空くようであればその角度のサーボ軸の彫った部分を削って高さを合わせてください。
隙間ができても全ての角度で均一なら問題ありません。(多少隙間ができた方が望ましいですが)
チェックが終わったにビスを本締めしてサーボの取り付けは完了です。
この時あまり強く締め付けると転車台自体が回転しなくなってしまいます。
手で回して空転しない程度にしてください。
実際に転車台を動かしてサーボ軸と主桁がずれるようでしたらもう少し締め付けてください。
その場合は停止位置がずれた可能性がありますのでもう一度停止位置を調整し直してください。
取り付け方法3
取り付け方法2の改良版でこの方法はあまり主桁を加工する必要がないので極力元の状態に戻す事ができます。
また主桁は柔らかい素材なので長時間の回転で溝が大きくなってズレが生じてくる事も考えられます。
他と同じ方法で主桁にサーボのビス穴を開けます。
なお今回もサーボ軸と主桁のずれを防ぐピンの穴は開けません。
結合部に5mmのアルミ棒を4mm位にカットしたものを使います。
カットする時は方法1でやったように適当な厚さの板を治具にしてカットや切断面にヤスリをかけると綺麗に仕上がります。
中心に2mmのビス穴を開けて金ノコで切断面に溝を作ります。
サーボ軸の方は方法2と同じ方法で加工します。
ただし今回は原点調整は後でやるのでサーボ軸の凸部の方向は任意で構いません。
分かりやすいようにサーボ軸の原点マークが真上になるように加工すればよいと思います。
今回もサーボ軸と主桁がなるべく垂直になるようにサーボ軸と今回のパーツにヤスリをかけて調整します。
調整できたら主桁側の切断面から1mm位の所にズレ防止のピンを差し込んでおきます。
表面に出す長さはなるべく主桁の回転に支障がないように軸の壁の厚み以下にします。
またあまり深すぎるとビス穴に飛び出してビスが入らなくなるので注意してください。
すぐ抜けるようだったら瞬間接着剤を少しつけて抜けないようにしてください。
最初はこのパーツを主桁と接着する方法を考えたのですが、また取り付け方法を変更するかも知れないので外せるようにしました。
エポキシ系の接着剤でガッチリ接着すれば絶対にズレてこないと思います。
なお主桁の方の加工はしなくて構わないです。
主桁を固定する時に取り付けビスを締める事によりこのピンが主桁の軸の壁に食い込んで行き自分で溝を刻んでいってくれます。
パーツの分サーボ軸までの距離が少し長くなったので今回はビスは専用タップネジではなく2mmの長さ15mmのものを使いました。(+ワッシャー)
ビスを締めこむ前に拡張インタフェイスの設定機能を使って主桁が接続線の位置に来るように調整します。
なお転車台用は回転が終わるとトルクオフにするためビスを締める時、サーボが回ってしまいますのでトルクオフのチェックを外しておいてください。
次に先程開けたレイアウトのサーボ穴にサーボを差し込んみます。
差し込む前に転車台本体にレイアウトの線路(ポイントから分岐した転車台への引き込み線)を2本接続しておきます。
サーボとレイアウトパネルの枠の間に差し込むサーボベースを作成します。
7mm厚のボードを100mm×25mmに切断します。
今回は100円ショップで市販されているもの(200mm×100mmMD材として)を使いました。
レイアウトに開いている連結穴の位置に同じ大きさの穴を開けておきます。
レイアウト面側に両面テープを貼っておきます。
レイアウトを連結していたボルトでは長さが足りないので長いもの(40mm)に置き換えます。
ボルトでこのボードを連結するレイアウトベースと一緒に固定します。
なおサーボを設置する面は蝶ネジですが干渉するので蝶ネジは反対側にします。
また座金とサーボバンドが干渉するためサーボ側の座金も外しておきます。
次にアルミ板でサーボの固定バンドを作製します。
今回は0.5mm厚のものを使いました。
この厚さだとハサミでカットができ加工が楽です。
縦100mmの部分を20mm幅にカットします。
サーボの形に合わせて折り曲げます。
またボート面にビス穴を開けておきます。
サーボに両面テープ貼って後からバンドを貼り付けます。
ねじ止めしなくてバンドは貼りついたままになるようバンドを押さえつけてテープを粘着させます。
ビスで留めたらサーボの設置は完了です。
オリジナルの転車台は本線の引込線と接続した時に本線側から転車台に電源が供給されてしまいます。
従って転車台本体が本線に接続していると転車台電源を切っても転車台で車両は動き続けます。
この仕様だと自動的で転車台で停止させる事ができなくなるので改良する必要があります。
まず本線のブロックを2つ外します。
転車台本体と通電させるためのブラシがあります。
このブラシを撤去すれば通電しなくなります。
なおブラシは2本とも撤去する必要があります。
しかしジョイナーのない方(写真縦方向)のブラシはレールを固定する役目もあるようで取り外すとレールが抜けてしまいます。
取り外さずに根元から切断した方が良いと思います。
転車台を元の状態に戻したい時はブラシを撤去しないで絶縁する方法があります。
本線のブロックを2つ外して本体の基板の接点をセロテープで絶縁します。
ビス穴の部分には穴を開けておきます。
この時転車台の回転を妨げないようセロテープが基板をはみ出さないようにしてください。
なおこの場合も接点は2つとも絶縁する必要があります。
自動プログラムで転車台を動かした時の動画です。
上記のリンクをクリックするとYouTubeに接続します。
最初にNATOCを起動すると転車台テストというプログラムが読み込まれます。
このプログラムは転車台を5番線と1番線に交互に動かしその間は列車は本線を走り続けます。
この間列車は止まらないので転車台の回転が追い付かない場合は列車の速度を遅くしてください。
また列車はシミュレーションの開始位置と同じくレイアウトの右の本線中央に置いてプログラムを開始してください。
最後に列車はこの位置で停止しますのでそのままプログラムを繰り返す事ができます。
なおプログラムの最初でポイントを転車台側に切り替えますがポイントをNATOCで制御していない場合は予め転車台側に切り替えておいてください。
・転車台電源の制御基板
SL鉄道模型の転車台制御は主桁の向きや接続する待避線への電流制御を転車台自身の機構で行っています。
主桁のブラシと転車台ベースの電極パターンの接触で細かい制御を行っています。
しかし接触不良による動作不良が頻繁に起こります。
転車台のこの機構を使わなくてもNATOCではリレー基板を使って同等の車両制御をサポートしています。
またこの制御構造がない自作転車台でもこの方法を使って車両を制御するする事ができます。
まず主桁とサーボの接続方法について説明します。
取り付け方法で説明した方法で構いませんが転車台ベースのパターンを使わないので簡単な方法で行えます。
本来はベースの内側にパターンがあるので主桁を差し込む穴を拡張する事ができないので接続に苦労します。
この方法ではサーボホーンの直径まで穴を拡張して主桁にサーボホーンを直接取り付ける事ができます。
サーボホーンは2mmのビスとナットで主桁に取り付けます。(サーボホーンから出ているケーブルは主桁に電力を供給するものですが主桁の表から供給するように後で変更しました)
まずサーボホーンの穴(4つのうち2つ)の位置に2mmの穴をピンバイスで開けておき、2mmのビスをナットで主桁に固定しておきます。
そこにサーボホーンを裏返して取り付けてナットで固定します。
なお主桁のブラシは残った転車台のパターンに接触すると誤動作するので撤去しておきます。
まず転車台ベースの穴をリーマで拡張します。
リーマだけではまだ小さいのでヤスリでサーボホーンの直径より少し大きい程度に拡張します。
主桁の電力もブラシからではなく直接ケーブルを接続してそこから供給します。
このため主桁の回転の邪魔にならないよう主桁のアーチを使って配線させます。
ケーブルは主桁のレールの外側に直接ハンダ付けをしています。
転車台が接続する待避線にも電力を供給する必要があります。
各待避線の接続部にリード線をハンダ付けしてリレー基板に接続するコネクター付きのケーブルと結線します。
サーボホーンにサーボ軸を差し込んで主桁を固定します。
サーボの取り付け方法や原点の調整等はこちらを参照してください。
サーボホーン取り付けネジでサーボホーンをサーボ軸にねじ留めします。
次に転車台の電流をコントロールするリレー基板について説明します。
arduinoを使ったNATOCインターフェイスを使っている事を前提とします。
主桁電源の制御はリレーを2個使って行います。
回路図は以下のようになります。
リレーの入力信号はarduinoの6番ピンと7番ピンを使います。
次に待避線に流す電流を制御して主桁が接続した時にだけ電流を流すようにします。
なお待避線は常に本線と同じ方向に電流が流れるので方向を制御する必要はありません。
各待避線電源の制御はリレーを1個づつ使って行います。
回路図は以下のようになります。
リレーの入力信号はarduinoの3番ピン(2番線)または4番ピン(3番線)または5番ピン(4番線)を使います。
この回路を待避線1本毎に接続します。
基板にリレーを実装します。
左側の2個は主桁の電源制御用で後の3個は待避線の電源ON/OFF用です。
リレー基板とardduinoは5Pまたは6Pのコネクターで接続します。
写真の右側は8Pのコネクターですが6Pをarduinoのアナログ入力0〜5に接続しています。(アナログ入力0〜4を使用)
arduinoのアナログ入力は設定によりデジタル出力としても使えます。
リレー基板にはGNDが必要で左側の3PのコネクターはサーボにVCCとGNDを供給するものでこのGNDをリレー基板に接続しています。
アナログ入力をデジタル出力として使うためarduinoのスケッチを変更する必要があります。
スケッチはNATOCのリビジョン3.20以降に含まれているものを使ってください。
スケッチのはNATOCの変更方法はこちらを参照してください。
NATOCで転車台リレーを制御するにはリビジョン3.20以降が必要です。
さらに以下の記述がoption.iniに必要です。
[USB] |
RELAY_ID=01234567.90 |
TURN_TABLE_RELAY=98<;: |
NATOCのインストールディレクトレィのoption.iniをテキストエディターで変更追加してください。
標準のRELAY_IDは01234567890ですが転車台電源はarduinoの4PINに対応するので8の部分を.(ピリオド)に書き換えてください。
RELAY_IDは0が6PINに対応していてそれに対してアスキーコードで記述するので4PINは0の2つ前のピリオドとなります。
以前のスケッチでは8(14PIN)以上のIDは4PINに変更していましたが今回14ピン以上を使うので対応するアスキーコードをそのままPIN番号に変換する様にしました。(実際は+6する)
TURN_TABLE_RELAYは転車台のPINを表すもので新たに追加してください。
これを定義しないと標準の転車台による車両制御となります。
最初の文字が主桁の前進用リレーで9(15PIN=アナログ入力1)を表します。
2番目が主桁の後進用リレーで8(14PIN=アナログ入力0)を表します。
3番目以降が待避線用(2番〜4番)リレーで<(18PIN=アナログ入力4)、;(17PIN=アナログ入力3)、:(16PIN=アナログ入力2)を表します。
接続するピン番号を変更する場合はこのTURN_TABLE_RELAYの値を変更してください。
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