パワーパック奇跡の復活
2009年10月5日
鉄道模型少年時代の遮断機の電動化のために昭和の「鉄道模型」を作るのパワーパックを活用していましたが、配線を間違えてどうやら出力をショート状態にしてしまったようです。
このパワーパック、過電流を防ぐ保護回路やヒューズがないため部品を壊してしまうようです。
しばらくは数十秒、電源LEDが点灯していましたが、そのうち全く点灯しなくなりました。
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鉄道模型少年時代のレイアウトにもこのパワーパックを活用した事例を紹介しようと思っていたのでちょっとヤバイ事になってしまいました。
TOMIXから純製品として何種類かパワーパック(これらには保護回路が付いていて今回のような事はないと思います)が出ていますが、あくまで講談社の鉄道模型シリーズの延長という事で考えているのでこのパワーパックは不可欠です。
中古品でも手に入らないかとネットオークション等で調べたのですが出展されておらず(レイアウト込みのフルセットはあるようですが)代替品の調達はどうやら無理のようです。
そこで仕方なく自分で修理する事にしました。
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まず裏蓋を外します。このパワーパックやたらに分解できないように裏蓋には特殊なネジが使ってあります。(青矢印)
2つに分割されたネジの溝の片方の溝の長さに合う精密ドライバーを用意してそれを通常のドライバーのようにしてネジをまわして外します。
この時ちょっとコツが要ります。あくまでネジの中心を回転軸としてドライバーでネジに回転を与えます。
まず基板を外す前にテスターを当ててどこまで電気が来ているかを確認します。
なお写真は修理後に撮影したもので新しい部品が付いています。
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今回、目をつけたのが三端子レギュレータと呼ばれる電源用ICです。これは電源電圧を安定化するもので複雑な電子回路をパッケージしたものでいかにも壊れそうな怪しい部品です。(赤矢印)
名前の通り三つの端子は正面から見て左から(IN)(GND)(OUT)でINからの入力電圧を安定化してOUTに出力するものです。
このパワーパックの出力電圧は12Vなのでテスターのレンジを直流50VにしてINとGNDに当ててみます。
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約15Vあります。おそらく正常でもこんなもんでしょう。
次にOUTとGNDに当ててみます。
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案の定出力電圧が出ていません。
念のためINとOUTをショートさせました。この時、方向切り替えスイッチは真ん中(停止)にしておいてください。
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パワーパックの電源用LEDが点灯する事を確認します。この時、15Vがそのまま出力されるのでこのままレイアウトにつないだり長時間つないだままにしないでください。
そのなるとこの部品が壊れている事は間違いはありません。(これより後の部品も壊れている場合もありますが)
早速この部品を注文しました。またこの部品は放熱用シリコーングリスで放熱用アルミ板に貼り付けられています。
部品一個、貼り付けるために一本購入するのは、もったいないですが新品のパワーパックを購入するのを思えば安いものなので奮発しました(それほどの値段ではありませんが)
それに比べて三端子レギュレータは安いのでまた壊れた時のために12V-1Aの物を4個購入しました。
三端子レギュレータは正電源用と負電源用があるので注意してください。
このパワーパックは正電源用です。
またこのパワーパック、定格の出力は400mAなので1Aあれば十分だと思います。
参考のために今回購入した商品のURLを掲載しておきます。NATOCのI/Oコントローラーの購入先です。
三端子レギュレータ 7812
放熱用シリコーン(シリンジ入) SCH-30
基板は上の写真の青矢印の4箇所のネジで外れます。このネジは通常のプラスのドライバーで外せます。
三端子レギュレータはハンダゴテを三本のピンに同時に当てて外す事ができますが、ここは慎重を期して足を切断して一本づつ外していきました。
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印刷がはげていて型番が分かりません。おそらく中国製でしょう。
新しい三端子レギュレータをハンダづけする前に裏に放熱用シリコーングリスを塗っておいて放熱用アルミ板に貼り付にネジ止めしておきます。
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足を基板に合わせて切断してハンダづけをします。
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あまり上手なハンダ付けではありませんが。
基板と裏蓋を元に戻して修理完了です。
レイアウトに接続して正常に動作する事を確認しました。
今回、奇跡的にも部品交換だけで直す事ができましたが、他の部品も破損している場合がありますので今回の部品交換だけで直るとは限りません。
しかし同様の症状に遭われている方の参考になればと記事にしました。
本記事を参考にして修理される場合は100Vに感電したり正常な部品を破損する恐れがありますのであくまでも自己責任で行ってください。
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