列車の速度制御
NATOCはNゲージのパワーパックのパルス幅変調(PWM)による速度制御を擬似的にサポートしています。
I/Oコントローラの電源のリレーを毎秒25回の高速でON,OFFを切替えて電源パルスをプログラムで生成します。
このONとOFFの時間を制御する事により列車の速度を制御します。
なおサーボを使っても列車の速度を制御する事ができます。
高速でリレーを作動させるためリレーの寿命を縮める可能性がありますのであくまで自己責任において行ってください。
なお通常の電源制御リレー(最初の2個)ではなく最後の2個のリレーを使用します。
I/OコントローラのCN1のコネクターケーブルをCN9のコネクターにCN2のコネクターケーブルをCN10のコネクターに差し替えます。
設定メニュのパラメータ設定コマンドでパラメータ設定ダイアログを表示させて「擬似パルス幅変調で速度制御を行う」のチェックをオンにします。
こののチェックをオンにしてOKボタンを押すと下記の警告メッセージが表示されますので「はい」を答えます。
列車の速度制御が可能になるとシミュレーションモードと同じようにジョグダイアルで列車速度を手動でコントロールできます。
プログラムによる列車の自動運転では列車速度の設定によりプログラムで列車の速度を制御する事ができます。
設定ファイルNATOC.iniの次の値をメモ帳等のテキストエディタで変更する事により速度制御に関する動作を変更する事ができます。
なお設定ファイルの変更は自己責任において行ってください。
[USB] |
PWM_INTERVAL=40 |
PWM_RELAY=89 |
PWM_INTERVALは擬似パルスの生成周期でミリ秒で指定します。周期を短くすると列車の動きはスムーズになりますがリレーにかかる負荷が増しますので減らす場合は注意してください。
なお10ミリ秒以下には設定する事はできません。
PWM_RELAYは擬似パルスの生成リレーのID(0〜9)です。リレーの9,10番を他の制御に使っている場合は空いているリレー変更してください。
なお通常の列車制御リレーの"0,1"に変更する事もできます。この場合はI/Oコントローラの接続の変更は必要ありません。
ただし通常の列車制御リレーの寿命を縮める事になりますので自己責任において行ってください。
・モータドライバへの変更
NATOCで採用しているI/Oコントローラは機械式リレーを使っておりそのまま擬似パルス幅変調で速度制御を行うとリレーの寿命を縮めますのでモータドライバICに変更する事をお勧めします。
ここではI/Oコントローラのリレー制御をモータドライバに変更する方法を説明します。
ただし直接I/Oコントローラの基盤にハンダ付けを行うのでIC基盤のハンダ付けの経験のある方を対象としています。
またハンダの熱によりICチップを破壊する恐れがありますのであくまで自己責任において行ってください。
今回は東芝製のTA7291Pというモータドライバを使います。
このモータドライバは2つの入力信号でモーターの正転、逆転、停止ができます。
こちらも電源制御リレー(最初の2個)ではなく最後の2個のリレーを使用します。
またレイアウトの接続には延長コード(電動ポイントN用) 5814(品番)(トミックス)を真ん中で切ったものを使います。
こうしておけば元の電源制御リレー(擬似パルス幅変調なし)に簡単に戻す事ができます。
なおCN1のコネクターケーブルとCN2のコネクターケーブルはI/Oコントローラから抜いておきます。
モータドライバとI/Oコントローラの結線図です。モータードライバーはSIPパッケージの10ピンで型番印刷を正面に向け左(切り欠き)から1番、2番・・・です。
まずI/Oコントローラの基盤にリード線をハンダ付けします。
GNDをUSBコネクタの足にハンダ付けします。
IC電源を電源コネクタの足にハンダ付けします。
リレー9信号をIC6の2番ピンにハンダ付けします。
リレー10信号をIC6の1番ピンにハンダ付けします。
次にリレーが擬似パルス幅変調で動作しないように入力端子に常に電圧をかけるようにようにします。
パターンカットやリレーを外しても構いませんがそれなりの技術や道具が必要となります。またこうしておけば簡単に元に戻す事ができます。
リレー9入力をリレー9の2番(基盤裏右上から2番目)ハンダ付けします。
リレー10入力をリレー10の2番(基盤裏右上から2番目)ハンダ付けします。
リレー9入力とリレー10のリード線を電源コネクタの足にハンダ付けします。
リード線をモータドライバICにハンダ付けします。
ICに直接ハンダ付けをしても構いませんがハンダの熱でICを破損する可能性があるのでICソケットを使います。
ドライバICはSIPタイプの10ピンなのでDIPタイプの20ピンの片方を使います。
ハンダ付けをする時はドライバICは抜いておいてください。
1番(1番左)にはGNDのリード線とDC電源延長コードのオスコネクタ(パワーパック側)のマイナスのリード線(白線)をハンダ付けします。
2番にはDC電源延長コードのメスコネクタ(レイアウト側)のマイナスのリード線(白線)をハンダ付けします。
4番と8番にはDC電源延長コードのオスコネクタ(パワーパック側)のプラスのリード線をハンダ付けします。
DC電源は8番ですが、4番は出力コントロール用のリファレンス電圧で今回は減圧しないので電源電圧をそのまま接続します。
5番にはリレー9信号のリード線をハンダ付けします。
6番にはリレー10信号のリード線をハンダ付けします。
7番にはIC電源のリード線をハンダ付けします。
10番にはDC電源延長コードのメスコネクタ(レイアウト側)のプラスのリード線をハンダ付けします。
列車速度制御機能を使ったトレインビュの動画です。
上記のリンクをクリックするとYouTubeに接続します。
列車速度制御機能を使ってカメラ搭載車を超低速で運行して撮影しています。
標準のレイアウトを一周40秒で運転しています。
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